17. 奈良4寺巡礼(長谷寺、室生寺)


“はじまりの奈良”といわれるように、奈良は日本国の発祥の地。飛鳥時代から奈良時代には都があり政事の中心地でした。この土地に建つのが長谷寺(はせでら)、室生寺(むろうじ)、岡寺(おかでら)、安倍文殊院(あべもんじゅいん)の四寺です。いずれも創建1200年の歴史があり、庶民から貴族までたくさんの人の祈りを受け止めてきました。心のモヤを取り去るため、四寺を巡礼をする人が増えています

まず、長谷寺。全国に多数存在する「長谷寺」の原点です。この地は古くからの聖地で、源氏物語や万葉集にも登場します。西国三十三所第八番札所としても知られる長谷寺は、四季を通じて境内が花に彩られる「花の御寺」として親しまれ、春は桜と牡丹、夏はアジサイ、秋はもみじ、冬は冬牡丹が咲き誇り、多くの巡礼者の目を楽しませています。

 鎌倉の長谷寺も有名ですが、その関係はこんな感じです。
奈良の長谷寺の御本尊、十一面観音と鎌倉の長谷寺の十一面観音は同じ木から造られたという言い伝えです。
 奈良の長谷寺を開いた徳道は、721年、楠の木から2体の十一面観音を造り、一体を奈良の長谷寺の御本尊とし、もう一体を祈請して海に流したところ15年後に三浦半島に流れ着き、それを安置して鎌倉の長谷寺を開いたといわれています。
これが鎌倉長谷寺の話、一方、奈良長谷寺でお坊さんに聞いたところ、「全国に長谷寺はたくさんあり、それぞれ当長谷寺との関係を言っていますからね。」との余裕の本家のご説明でした。


長谷寺仁王門から入っていきましょう。

長谷寺の登廊です。仁王門より本堂へと続き、屋根の付いた399段の石段で、天井には独特の長谷型灯籠が吊られています。


 

 

 

 

 

 

 

次は、長谷寺五重塔です。
明治9年(1876年)に三重塔が落雷により焼失、その後70年余を経て昭和29年(1954年)、戦後日本に初めて建てられた五重塔で「昭和の名塔」と呼ばれています。

 

 

 

 

 

 

 


長谷寺本堂鐘楼からの景色もまた、美しい。

次に、室生寺です。

真言宗の拠点である高野山がかつては女人禁制であったことから、女性の参詣が許されていた室生寺には「女人高野」の別名がある。女性だけではない。女性も(つまり男性も)入れるお寺です。
室生寺のお堂の中にも、美しい仏像が数々あるのですが、撮影禁止のため残念です。

 

仁王門門前にある、女人高野と刻まれた石碑です。男性はここで躊躇してはいけません。

室生寺本堂です。密教儀式を行うための堂だそうです。

室生寺五重塔です。屋外にある木造五重塔としては、法隆寺塔に次ぎわが国で2番目に古く、日本最小。高さは16メートル強、初重は1辺の長さ2.5メートルの小型の塔で、高さは興福寺五重塔の3分の1ほどだそうです。。

室生寺鎧門です。

「鎧坂」の両側には、シャクナゲをはじめとした木々の枝が迫り、春のシャクナゲ、秋の紅葉と、この「鎧坂」を下から仰ぐ風景はとても絵になるらしい。紅葉終わりのこの頃でも、こんなに絵に(写真に)なる美しさでした。

最後に、室生寺奥之院です。室生寺のさらに奥深いスポット奥之院。五重塔の先にある石段を登ると、右手に新しい道があり、その先、ずっと奥にあるのが奥の院ということでしたが、体力を考え、本日のお寺巡りはここまでとしました。

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